最終18ホール3打目、あの闘将の言葉が脳裏に浮かんだ…

2022.09.24、ジャパンツアー第2戦……僕は最終18ホールの3打目を蹴るため、ボールの前で思考を巡らせながら立っていた。パー5のホールだ。

その時点のスコアは−10で、同組で争っていた選手が−9。優勝も視野に入るスコアで、バーディーで上がることができれば、より優勝に近づく。

僕の目の前には、越えられるかどうかが確率半々くらいのバンカー。状況からして、勝負を分ける3打目になることは明白だった。僕がパーで同組の選手がバーディーだとしたら、プレーオフ突入。

バンカーを避け、いわゆる「刻んで」少し遠い位置からバーディーを狙いにいくのか、バンカー越えの「賭け」に出て、ピンへ直接的に寄せにいくのか。

正直、かなり迷っていた。

と、その時、元鹿島アントラーズの闘将・満男さんの言葉が脳内に舞い降りた。

「一か八かでも、青木には攻めのゴルフをしてもらいたいな」

実は先日、お会いする機会があり、普段どんなゴルフをしているかという話題になり、「自分はなるべくリスクを負わないマネジメントを考えたゴルフを心がけています」と話をしていた。

その時の、満男さんの返答だった。

なぜか、勝負を分ける最終18ホールの3打目で、この言葉が脳裏に浮かび、僕は「賭け」に出ることを決断。

結果は……

奇跡的なボールの軌道でバンカーを越えてくれて、カップから数㍍の位置に。そのあとバーディーを取れ、スコアを−11に伸ばすことができ優勝に繋がった。同組の選手は−10で2位。

文字通り、本当に一打の争い。

あの場面で、普段は滅多にやらない「賭け」に出られたのは、『日本一の勝てる勝たせる選手』満男さんの言葉があったから。満男さんの言葉と共に掴んだバーディー、優勝だった。

そして、勝利の神様が微笑んでくれた瞬間だった。

感謝!!
南葛SC プロフットゴルファー 青木 剛

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